天候は大雨。



テレビの向こうで優しい笑顔を作り、自分で調べたわけでもない今日の天気を発表する綺麗なお天気お姉さんの予報は見事に外れた。


「今日は傘の必要はないでしょう」



俺はお姉さんの嘘の笑顔をわざわざ信じ、革製の重たいカバンだけを持って家を出た



なのに、俺が学校につく頃には、曇り空はやがて土砂降りへと変わっていた。


どうやらお姉さんを信じていたのは俺だけのようで、下駄箱にて他の生徒たちは濡れた傘をたたんでいた。上から下までずぶ濡れは俺だけのようだ。


俺は自分から滴る水滴を見つめると、疑う心も大切なんだと教えられた気がした。