Kissシリーズ・「バレンタインのキス」

「って、思ってる場合じゃない!」

二つとも同じ箱だったから、間違えちゃった!

「ん? どうした?」

彼の方を見ると、すでにチョコを食べはじめていた。

「あっアレ? 甘い物、キライなんじゃなかったっけ?」

「あ~、そう言ったっけ?」

そう言いながらも、彼はチョコを食べ終え、コーヒーを飲んだ。

「確かに甘いモンは苦手だけど、お前の作ったものなら別だろ?」

「えっ? ええっ!?」

カーッと頭に血が上る。

「だから、彼女が作ったもんは、別なんだよ」

「えっ、なっ、だって…」

一度も好きって言ってくれなかったのに…。

…こんな時に言うなんて、卑怯だ。ズルイ…。