車が発進して、最初に引っかかった信号機で、道隆さんがわたしの太ももに向けて何かを投げつけてきた

十数枚の写真だった

見覚えのある女性の顔が、泥まみれになって倒れていた

服が激しく乱れている

白い濁った液体が体中についていた

なに、これ…

わたしは写真を持ったまま、道隆さんの横顔を見つめた

「なんですか?」

「君の大好きな先生の彼女。レイプしちゃった」

道隆さんが楽しそうに笑った

「え?」

「君がいけないんだよ」

わたし?

わたしがいけないって…どういう意味?

道隆さんの口の端がくいっと持ち上がった

「さくらが俺を好きにならないから。俺との約束を守らなかった」

「約束? そんなのした覚えない」

「そう? 昨日言ったよね? 彼氏にもう会うなって」

それ…約束?

脅しの間違いじゃなくて?