「髪、伸ばさないの?」


「へっ?」


あまりにも急な質問だったからなのか、早苗が不思議そうな顔をした。


「いきなり何?」


「いや、何となく……」


早苗が髪を短くしていたのは、中学の時にバスケをやっていたから。


だけど…


今は部活には入っていないし、中学の時はロングヘアーに憧れていたみたいだから、早苗があの頃の髪型のままなのが少しだけ不思議だったんだ。


答えてくれるのを待っていると、彼女はドライヤーを止めて口を開いた。