30分もしないうちに部屋に戻って来た早苗は、あたしを見た直後にフッと微笑んだ。


「希咲、寛(クツロ)ぎ過ぎ。これじゃ、まるでアンタの部屋みたいじゃん!」


「だって、あたしの部屋だもん!」


あたしの言葉でケラケラと笑った早苗は、何だか別人みたい。


きっと、いつもは柔らかそうな雰囲気で整えられているショートカットの髪が濡れて、首筋にペタリと張り付いているから。


そんな彼女を見ていると、メイクをしている時よりも今の方が大人っぽいと思ってしまう。