愛の雫

そのまま脱衣所に行き、棚からバスタオルを取り出した。


ここには頻繁に来ているから、これくらいの事なら勝手にするのが当たり前になっていて、ほとんどの物の配置を知っている。


服を脱いでバスルームに入ると、新しいトリートメントが置かれている事に気付いた。


それは、一緒に並べてある他のバス用品とはどこか雰囲気が違っていて、この場所には似つかわしくない気がする。


たぶん、早苗の母親の物。


やけに高級そうな入れ物と、そこに書かれているブランド名がそう感じさせた。