愛の雫

陽子さんの返事を聞く前に家を飛び出し、猛ダッシュで駅に向かった。


顔が熱いと感じるのは、全力で走っているからなのか、それとも陽子さんの事を初めて“お母さん”って呼んだからなのか…。


考えなくても答えはわかっていたけど、後者だと認めたくなくて考えるのを止めた。


今頃きっと、陽子さんは泣く程喜んでいるに違いない。


大袈裟なくらい感動しながら喜ぶ陽子さんを想像すると、やっぱりほんの少しだけ鬱陶しい気もするけど…


そんなあの人も悪くない、なんて思ったりもした。