愛の雫

「凪兄にとっては、優しさのつもりなのかもしれない……。だけど、あたしの気持ちを受け入れられないのに『好き』って告うのは、突き放すよりもずっとずっと酷い事なんだよ……?」


さっきよりも落ち着いた口調だったけど、そう話したあたしの声はまるで自分の物じゃないような低さだった。


「凪兄が優しいのは知ってるし、今日だってあたしは凪兄の優しさに救われた。でも、違うんだよ……」


感じている息苦しさに思わず眉を寄せ、凪兄を見つめる。


そして、ゆっくりと口を開いた。