愛の雫

どうしてよ……?


頭の中でそう思った時には、もう次の言葉が飛び出していた。


「凪兄とあたしの“好き”は全然違うのっ!!それなのに、そんなに簡単に『好き』とか告わないでよっ!!」


「ちょっ、希咲!?」


凪兄は驚きの表情を見せたまま立ち上がって、あたしの傍に来た。


あたしの言葉の意味を理解していない彼を目の当たりにして、苦しいくらい苛立ちが募る。


目を見開いたままの凪兄の手があたしの肩に触れた瞬間、あたしの中の何かがプツリと切れた。