愛の雫

「本当だよ……」


静かに、だけどキッパリと答えたあたしの声は、自分でも驚くくらい穏やかだった。


「あたし、凪兄の事が好き」


こんなにもハッキリと言葉に出来るくらいの想いを抱いていた事を、改めて強く実感する。


言葉にすると、それはもう止められない程に激しさを増して溢れ出す。


「頭ではちゃんとダメだってわかってるんだけど、やっぱり好きで……。本当は恐くて堪らないけど、好きって気持ちの方が大きくて……」


想いを告げた声が、緊張で大きく震えていた。