愛の雫

「凪兄の事が……好き……なの……」


震える声で落とした言葉が、胸の奥をギュッと締め付けるように包む。


『好き』って告う事が、こんなにも苦しい気持ちになるなんて知らなかった。


「あ、たし……」


そこまで言ったあたしは、凪兄の表情を見てハッとした。


彼はあたしの瞳を真っ直ぐ見つめながらも、困ったように眉を寄せていたから…。


その時、自分(アタシ)の気持ちが凪兄にとってはどれ程迷惑なのかって事が、痛いくらいにわかった気がしたんだ…。