愛の雫

凪兄の向かいに座ったあたしは、マグカップにそっと口を付けた。


心に溶け込むように全身に染み渡るカラメルミルクに、何だかホッとして自然と表情が緩む。


「甘……」


そんなあたしの前で眉を寄せながらポツリと呟いた凪兄に、思わずクスリと笑いを零してしまった。


「凪兄って、甘い物は平気なんじゃなかったっけ?」


「そうなんだけどさ……。今日は甘過ぎるような気が……」


「そう?美味しいよ?」


自然と笑みを浮かべたあたしに、凪兄が目を細めて微笑んだ。