愛の雫

しばらく怒鳴っていた泰人は、通り掛かった人達の視線に気付いて地面に落ちていたバッグを拾った。


「マジで気分悪ぃ……」


不機嫌そうに呟いた彼が、あたしを睨み付ける。


「お前、覚えてろよ?また連絡するか……」


「いい加減にしてよっ!!あたし、別れるって言ったじゃんっ!!あたしの気持ちは絶対に変わらないし!それにっ……今ので泰人とはもう無理だって思ったから、二度と会わないっ!!」


泰人の言葉を遮ったあたしは、息継ぎもせずに大声で言い放った。