愛の雫

「怒鳴らないでよ……」


何とか絞り出した声が、少しだけ震えていた。


泰人のこういう所が嫌い。


いつも自分勝手な発言や行動ばかりで、あたしの事なんてちっとも考えてくれていない事は、付き合ってすぐにわかっていた。


「ちょっと来いっ!!」


「やだっ……!」


黙り込んだあたしの腕を掴んだ泰人から、逃げるように手を引っ込める。


だけど…


「イイから来いっ!!」


泰人はあたしの腕を強く掴むと、無理矢理引っ張った。