愛の雫

「久しぶりだよね」


「え?」


バスルームに響いた奈緒ちゃんの言葉に、小首を傾げる。


「一緒にお風呂入るの」


湯舟の中で向かい合わせで座っているあたしに、彼女は楽しそうに微笑んでから続けた。


「昔はよく一緒に入ったよね。夏は、お風呂の中でアイス食べたりしてさ〜」


「そうだね。何か懐かしいなぁ……」


ポツリと呟いたあたしは、息を小さく吐きながら膝を抱え直した。


そんなあたしを見ていた奈緒ちゃんが、今度は控えめに口を開いた。