愛の雫

「相変わらず、姉貴は強引だよな〜」


「確かに」


苦笑した凪兄に小さな笑みを返すと、彼はハッとしたように笑顔を消した。


「何?」


「いや……」


平静を装って静かに答えた凪兄に、怪訝な気持ちが生まれる。


何……?


さっきから、凪兄は変だ…。


よく考えると、病院を出てから今まで彼とは直接話をしていなかった。


あたしを支えるようにずっと傍にいてくれたさっきまでとは違って、今は何だか凪兄との距離が遠くなってしまった気がする。