愛の雫

ママが生きていた時、パパはいつもこんな風に幸せそうに笑っていた。


喧嘩をしている所なんて見た事が無いくらい、二人はどんな時でも笑顔を絶やさなかった。


ママが入院していた時でさえ、パパはいつも穏やかに微笑んでいた。


あの頃は、パパがどうしてあんな風に笑っていられるのか、ちっとも理解出来なかった。


だけど、今ならわかるような気がする。


きっと、ママがパパに笑顔を与えていたんだ。


だって…


ママは、最期の時までずっと笑っていたから――…。