愛の雫

部屋の中は、柔らかいレモンイエローの壁紙に包まれていた。


至る所に張り付けられた、カラフルな紙の可愛らしい装飾。


少しだけ独特な感じのする、優しい香り。


あちこちから途切れ途切れに聞こえて来る、小さな産声。


ここは、何だか不思議な空間だった。


だけど…


決して、居心地が悪い訳じゃない。


初めて触れた空間に、戸惑いを隠せなかった事は事実だけど…


この部屋の雰囲気は、何だか懐かしい安心感を与えてくれる気がしたんだ。