愛の雫

梶原さんに促されて、ガラス張りになっている部屋のドアを開けた。


「そこの消毒液で手をしっかりと消毒してから、横に置いてある長袖のエプロンを着けて下さい」


あたしとパパは、指示された通りにしていった。


消毒液の独特の匂いが、鼻を掠める。


苦手な匂いのハズなのに、そんな事を忘れてしまうくらい緊張していた。


「じゃあ、行きましょうか」


ニコッと微笑んで目の前のドアを開けた梶原さんは、もう一人の看護師とストレッチャーを押して中に入った。