愛の雫

「赤ちゃんに触れてみますか?」


「え……?イイんですか?」


陽子さんが目を小さく見開くと、梶原さんが笑顔で頷いた。


「ご家族だけでしたら……」


控えめに付け足された言葉に、凪兄と奈緒ちゃんがニッコリと笑う。


「陽子さん、良かったね!」


「俺達は、また今度抱っこさせて下さいね」


奈緒ちゃんと凪兄が口々に言うと、陽子さんはすごく嬉しそうに笑った。


その様子を黙って見ていたあたしの肩に、パパの手がそっと置かれた。