愛の雫

ふと陽子さんを見ると、愛おしそうに保育器の中にいる赤ちゃんを見つめていた。


パパも、優しい眼差しで赤ちゃんを見ている。


「可愛いね」


「うん」


奈緒ちゃんの言葉に頷いた凪兄は、満面に笑みを浮かべている。


「明日の午後には、お母さんと同じ部屋で過ごせるようになりますからね。とは言っても、基本的に赤ちゃんは皆しばらくここで過ごす事になってるので、決まった時間だけなんですけど……」


梶原さんはそう説明した後、一呼吸置いてから続けた。