愛の雫

梶原さん達に案内されたのは、ガラス張りになっている部屋の前だった。


「あの奥にいる子が、藤村さんの赤ちゃんよ」


彼女が指を差した先には、保育器に入れられた赤ちゃん。


一目で生まれたばかりだとわかる赤ちゃんは、他の子よりも少しだけ小さくて…


不安を抱いたあたしは、思わず梶原さんを見た。


「大丈夫よ。他の子よりもまだちょっとだけ小さいけど、さっきまでとっても元気に泣いてたから」


彼女はあたしの不安を察したのか、優しい笑みを浮かべた。