愛の雫

「希咲ちゃん」


「……何?」


陽子さんに視線を向けながら返事をすると、陽子さんが一呼吸置いてから続けた。


「もしよかったら、今から一緒に赤ちゃんに会いに行ってくれないかな?」


「まぁ……別にイイけど……」


あたしなりに精一杯の返事をしたけど、やっぱり素直な言葉は出て来ない。


そんなあたしと陽子さんを見ていた三人が、ほんの少しだけ呆れたように笑っている。


だけど…


あたし達に向けられていた笑顔は、何だか温かくも感じたんだ。