愛の雫

奈緒ちゃんの優しい腕が、あたしをそっと包む。


あたしを抱き締めてくれた彼女は、まるで母親が子供をあやす時みたいに背中を撫でてくれた。


「ほらほら、もう泣かないの」


「うん……」


あたしから離れた奈緒ちゃんは、満面に笑みを浮かべている。


「あのね、さっき看護師さんが『赤ちゃんに会える』って言いに来てくれたよ」


「え……?」


「きっと今頃、おじさんも陽子さんに話してると思うから、おじさん達と一緒に赤ちゃんに会っておいでよ」