愛の雫

そんな事、知らなかった。


何よりも、知ろうともしなかった。


パパの本心を、陽子さんの気持ちを…。


凪兄は、何度も何度も教えてくれていたのに…。


何もわかっていなかったのは自分(アタシ)で、向き合わなければいけない事に目を向けもしないで、いつも周りのせいばかり…。


“大切な人を大切にする”


そんな大切な感情を失くしていたのは、自分(アタシ)だった。


あたしはずっと、肝心な事に目を向ける事もしないで、いつも逃げてばかりいたんだ…。