愛の雫

病院に着くと、凪兄が真っ先に車から飛び出した。


「車を停めたら、俺もすぐに行くから!」


「大丈夫ですから、店長は店に戻って下さい」


「でも……」


「本当に大丈夫ですから。それに皆、店長の事を待ってますよ!」


そう言ったあたしに、店長が戸惑いの表情を浮かべる。


「大丈夫ですよ。あたしと凪が付き添ってますし、希咲ちゃんの事もちゃんと送りますから」


奈緒ちゃんの言葉で安心したのか、店長は眉を寄せて微笑みながら小さく頷いた。