愛の雫

あたしと奈緒ちゃんの間に座っている陽子さんは、さっきよりも苦しそうに顔を歪めながらお腹を押さえて、何度も小さな呻き声を漏らしていた。


「……っ!」


その姿を見ているのが恐くて、すぐ隣にいる陽子さんを直視する事が出来ない。


「陽子さん、しっかり!」


「頑張って、陽子さん!」


凪兄と奈緒ちゃんが陽子さんを励ます中、あたしは俯いたまま何も言えなかった。


「もう着きますからね!」


店長の言葉で視線を前に遣ると、すぐ先に病院が見えた。