黙り込んでしまったあたしを見兼ねたのか、朋子が口を開き掛けた。


だけど…


「絵里香ー!先輩が呼んでるよ!」


朋子が言葉を紡ぐよりも早く、教室のドアの近くにいた女子が絵里香を呼んだ。


「あっ、今行くねー!」


彼女は返事をしながら立ち上がると、あたしの耳元で囁いた。


「紹介したあたしの立場も考えてね?」


「あっ……」


「じゃあ、そういう事だからよろしくね♪」


絵里香はニッコリと笑って、軽い足取りでドアの方に向かった。