愛の雫

「だからって、こんな事……」


そんな風に言ったって無駄なんだって事は、頭のどこかでちゃんとわかっていた。


だけど、恐怖心を押し退けるくらいの憤(イキドオ)りを感じていたあたしは、絵里香を睨んだまま続けた。


「あたしがムカつくなら、構わなきゃイイじゃんっ!!」


「そんな事言われなくても、これが終わったらそうするに決まってるじゃない……」


「ふざけないでよっ!!」


呆れたように苦笑を零した絵里香に、怒りで全身を震わせながら怒鳴った。