愛の雫

何……?


考える間も無く頭と背中を強く打ち付け、気が付けば目の前に泰人の顔があった。


彼の向こうに天井が見え、すぐに頭の上で両手を固定されている事にも気付いた。


その直後、自分がソファーの上に組み敷かれているんだと理解して、全身から嫌な汗が流れ出す。


「な、何……して……」


声が震えていたせいで、最後まで言葉を口にする事は叶わなかった。


「……お前、ムカつくんだよ」


苛立ちを隠さずに言った泰人は、眉をしかめたまま続けた。