愛の雫

「そうだったんだ……」


頷いたあたしは、奈緒ちゃんから電話で聞いた事情を早苗にそのまま説明した。


先月末に帰って来るハズだった奈緒ちゃんは、バイト先で帰省を理由に休む人が多くて、休みを取る事が出来なかった。


お人好しの奈緒ちゃんらしいけど、彼女の帰省を楽しみにしていたあたしとしては、やっぱり寂しい。


「仕方ないんだけどね。でも、奈緒ちゃんの事で、うちの店長がいかに優しいかって事がよくわかったよ……」


大きなため息をつくと、早苗が眉を寄せながら笑った。