愛の雫

『大丈夫ですよ!』


いつものあたしなら、笑顔でそう言ってサラッと流せたと思う。


それなのに、今日はそんな簡単な言葉すら出て来ない。


「希咲ちゃんと早苗ちゃんはすごく仲良しだし、もしかしたら早苗ちゃんに相談したのかもしれないけど……」


乃依さんの話を聞きながら、ウーロン茶の入ったグラスを両手で強く握った。


「確か、『最近会ってない』って言ってたでしょ?だから、希咲ちゃんの性格を考えると、悩み事があっても誰にも相談出来てないんじゃないかと思って……」