愛の雫

「それより、希咲ちゃん……」


乃依さんは、冷凍庫を閉めてから振り返った。


「はい?」


「目、腫れてるね……」


乃依さんの言葉に、思わず目を見開いてしまった。


何も答えられずにいると、彼女が続けて口を開いた。


「もしかして、昨日泣いた……?」


「え……?」


核心を突かれた事によって、更に目を見開いてしまう。


「えっと……」


視線を泳がせながら戸惑うあたしに、乃依さんが心配そうな表情を向けていた。