愛の雫

「あっ、おはよう!」


店に着いたあたしが控室のドアを開けると、先に来ていた乃依さんが笑顔で言った。


「おはようございます」


いつも通りに返したあたしは、貼り付けた笑顔が引き攣りそうになったのを気付かれたくなくて…


不自然にならないようにロッカーを開け、バッグを入れた。


「嫌な天気だね〜。午後からは雨降りそうだから、お客さん少ないかもしれないね」


「そうですね」


エプロンを着けながら話す乃依さんに、小さな笑みを向けて相槌を打った。