愛の雫

「アンタに関係ないじゃんっ!!てか、あたしに話し掛けないでって言ってるでしょっ!!」


怒鳴り散らすように叫んで、靴を脱いだ。


「ごめん、なさい……」


泣きそうな顔をしながら謝って笑顔を繕う陽子さんに、益々苛立ちが募る。


いっその事、言い返してくれた方がラクなのに、陽子さんはいつも何も言わない。


謝るばかりの陽子さんが惨めに見えて仕方が無くて、それが余計にあたしを苛立たせる。


だけど…


今は、自分(アタシ)の方がずっと惨めだった。