愛の雫

凪兄の事を散々責め立てていたあたしは、息が苦しくなって何も言えなくなった。


肩で息をする程、大声で話した事なんて無かった。


こんなに長い時間、誰かを責めた事なんて無かった。


息が苦しいのか、それとも胸が苦しいのかなんてわからない。


だけど…


とにかく呼吸が上手く出来なくて、体中が苦しくて堪らなかった。


「希咲?」


荒く息をするあたしの顔を、凪兄が心配そうに覗き込む。


こんな時まであたしの心配をする彼は、本当にバカだ…。