愛の雫

「ほら」


あたしの目の前にマグカップを置いた凪兄は、もう一つのマグカップを持ったまま火燵に入った。


目の前に置かれたマグカップからは、湯気と一緒に甘い香りが漂う。


「いただきます……」


そっとマグカップを持ってカラメルミルクを一口飲むと、優しい甘さが口の中に広がって体を芯(シン)から温めてくれた。


すぐにあの味が恋しくなって、またマグカップに口を付ける。


早苗の家で飲むココアも嫌いじゃないけど、やっぱりカラメルミルクが一番好きだって思った。