愛の雫

「俺、希咲が家に来る事、陽子さんに言って来るから」


「まだ夕方だよ?てか、あたしとあの人は他人なんだってば……」


「そんな事言うなよ……」


「とにかく、何も言わなくてイイから」


「そうは言ったって、心配してるかもしれないだろ?」


「そんな訳ないじゃん!いつも言ってるでしょ?」


「でも……」


「じゃあ、30分以内に帰るならイイよね?」


お互いに引かないままだったやり取りは、あたしが凪兄の言葉を強引に遮って終わらせた。