愛の雫

少しの間黙っていた凪兄は、あたしを見つめたまま口を開いた。


「まぁイイよ……。とりあえず乗りな」


「イイ……」


「イイから早く」


「でも……」


「帰ったら、カラメルミルク作ってあげるから」


躊躇していたあたしは、その言葉に釣られて自転車の後ろに乗ってしまった。


大人しく凪兄の言う通りに行動したのは、彼が作ってくれるカラメルミルクを飲みたいなんて思ってしまったから…。


こんな安易な自分の事を、バカみたいだって思った。