愛の雫

早苗の視線に応えられずに目を泳がせてしまうのは、きっと動揺していたから…。


彼女の見据えるような瞳に耐えられなくなって、結局は視線を逸らしてしまった。


あたしが何を思っているのかなんて、自分でもわからない。


『気安く触らないでよ……』


この言葉の後、あたしが“本当に”言おうとしていたのは…。


『その手で彼女にも触るくせに』……?


でも、それじゃまるで……


俯きがちになっていたあたしは、これでもかって言うくらい眉をしかめていた。