愛の雫

「でもさ、『触らないで』って思ったんでしょ?」


「うん」


「それって、『彼女がいるくせに』って思ったからでしょ?」


「うん。だって、彼女がいるのに他の女の子の頭撫でたりするのって、嫌じゃん?何か、軽い感じがするって言うかさ!」


あたしは頷きながらそう言って、早苗に同意を求めたけど…


「あのね、希咲……。それってさ、普通にヤキモチ妬いただけなんじゃないの?」


彼女は全てを見透かすような視線を向けながら訊いて、あたしの瞳を真っ直ぐ見つめた。