愛の雫

「ずっと上の空だった理由はあるんでしょ?とりあえず、それを教えてよ」


「う〜ん……。何か、それもよくわからないんだよね……」


「でも、何か気になる事があったんじゃないの?」


「気になるって言うか……」


「気になる事とか心配事があったから、ずっと上の空だったんじゃない?」


「そうなのかもしれないけど……」


「じゃあ、その“かも”を教えてよ」


あたしを誘導するように話していた早苗が、小さく笑ってからマグカップを手に取った。