愛の雫

「あっ、うん……」


気の抜けたような返事をすると、早苗が眉を小さく寄せて笑った。


話を切り出すタイミングを窺っていたくせに、不意に訊かれると何も言えなくなってしまう。


口下手な訳じゃないとは思う。


だけど…


自分の事を話すのは、相手が早苗でも少しだけ苦手だと感じているのは事実。


「何から話せばイイのかわからない?」


「それもあるけど……」


「けど?」


早苗に促されたあたしは、ココアを一口飲んでから口を開いた。