愛の雫

「お先に失礼しまーす!」


「お疲れ様でした!」


「「お疲れー!」」


早苗とあたしが言うと、店長と乃依さんが声を揃えて笑顔で返してくれた。


息がピッタリな二人に、自然と笑みが零れる。


「二人とも、気をつけて帰ってね」


「「はーい!」」


乃依さんの言葉に、今度はあたしと早苗の返事が重なって、また笑みが零れた。


あたし達は二人にもう一度挨拶をしてからエレベーターに乗って、疲れ切った体を引きずるようにして店を後にした。