愛の雫

「希咲ちゃん、ドリンク持って行ってくれる?あたし、フード作らなきゃいけなくて……」


「わかりました」


「これがオーダーね」


平静を装って頷くと、乃依さんはオーダー表をあたしに渡してキッチンに入った。


「掃除に行ってくれてる早苗ちゃんはともかく、店長は事務仕事からちっとも戻って来ないし……。またサボってるのかなぁ……」


眉をしかめた乃依さんを見て笑うと、彼女も小さな笑みを返してくれた。


あたしは急いでドリンクの支度をした後、それを運んだ。