愛の雫

次の言葉を探していたあたしよりも先に、早苗が口を開いた。


「とりあえず、買い物続けよっか。あんまり遅いと、店長に怒られちゃうし……」


眉を寄せて微笑んだ彼女に、小さく頷いた。


早苗に何を言えばいいのかわからない。


正直な所、凪兄との事を聞いて欲しい気持ちはある。


だけど…


どう説明すればいいのかわからないから、何も話せなかった。


「希咲」


そんなあたしの気持ちを察するかのようなタイミングで、早苗がもう一度足を止めた。