愛の雫

どうしてだかわからないけど…


凪兄の答えを聞いた瞬間、ほんの少しだけ安堵した自分(アタシ)がいた。


だけど…


「ダメ、なんですか……?」


絵里香にとっては予想外の言葉だったのか、彼女は眉を小さく寄せて不服そうな表情を見せている。


一瞬だけホッとしていたあたしは、絵里香の機嫌が悪くなってしまう事が気になったけど、この空気に不安を覚えて何も言えずにいた。


微妙な雰囲気の中、困ったように眉を寄せていた凪兄が絵里香の手をそっと退けた。