愛の雫

「絵里香ちゃん、だっけ?」


「はい♪」


程なくしてそう訊いた凪兄に、絵里香が弾んだ声で返事をした。


自分(アタシ)には関係の無い事なのに、彼の答えが気になってしまう。


そんな複雑な感情に戸惑いながらも、二人の会話に耳を傾けていた。


すると…


「ごめん、そういうのはちょっと……」


凪兄は気まずそうな口調で言いながら、申し訳なさそうに笑った。


「え……?」


絵里香が小さく呟いたのと同時に、あたしは彼を見た。