愛の雫

「約束してたんですかぁ?希咲、何も言ってくれないから知らなくて……」


「ううん、違うんだ。さっき共通の知り合いからメールで伝言頼まれたから、ついでに一緒に帰ろうと思ってさ」


絵里香の質問に笑顔で答えた凪兄は、あたしを見た。


「伝言……?」


「うん、姉貴から。でも友達と約束があるなら、別に今じゃなくてもイイから……」


凪兄が遠慮がちに言うと、絵里香は満面に笑みを浮かべながら口を開いた。


「あたしの事なら、気にしなくてイイですよぉ♪」