愛の雫

呆然と立ち尽くしていると、絵里香があたしの手を掴んで歩き出した。


「ちょっ……！絵里香！？」


「希咲、知り合いなんでしょ？紹介してよ！」


「そんなんじゃ……」


「違うの？でも、別にイイよ！自分から声掛けちゃうもん♪」


そう言った絵里香が、笑顔で振り返った。


「あたし、バイトがっ……！」


「ちょっとだけだから付き合ってよ♪ねっ？」


戸惑いながらも言い訳を口にすると、絵里香はさっきよりも強引にあたしの手を引っ張った。